東京オリンピック・パラリンピック関連の文化芸術企画「Tokyo Tokyo FESTIVAL スペシャル13」として、2019~2020年に実施中の「DANCE TRUCK TOKYO」。今回は府中の駅前にある「けやき並木通り」で、巨大なトラックの荷台が開け放たれ、ダンス、演劇、音楽演奏が行われた。
■ロクディム「この瞬間を一緒に笑おう。」
出演:ロクディム(小田篤史、宍戸勇介)
2人組による即興芝居。事前に観客に、質問を書いた紙を渡し、それに回答を書いてもらって回収し、トラックの荷台の床に散らして置いて、芝居中に1枚ずつ拾い、その言葉もせりふとして使う。
2つの場面を演じていた。場面は、観客に質問をして、決める。1つ目は「子どものときになりたかった職業は?」で「学校の先生」。教師と生徒の場面になった。2つ目は「ほっとする場所は?」で「図書館」。大学受験を控えた、恋心を抱き合う男女の高校生の話になった。
芝居があるとは予想していなかったが、笑えて、面白かった。
■Somatic Field Project
振付:梅田宏明
出演:中村優希、大塚郁実
稽古着のようにシンプルな服装の2人が、音楽を身体で表しているかのように踊る。
振付の梅田宏明氏は、普段は電子音楽っぽいものを使っていると思っていたが、今回は、屋外のパブリックなスペースで誰でもその場で鑑賞できるという特性を意識してか、特に2曲目はよく知られたクラシック音楽(?)を使っていた。
身体が本当に、音になってしまったかのよう。音楽の視覚化。
■Jon(犬)「ふ宙」
出演:Jon(犬)
「宇宙」と「府中」を掛けたと思われるタイトル「ふ宙」からして、ただ者ではない雰囲気が漂う。
そうしたら、やはりただ者ではなかった!犬、というか、オオカミ(?)のような着ぐるみで登場し、オルガンを弾きながら、歌う。いきなり観客の方を向いたり、歌い終わると「はいっ」と言って、拍手を促し(?!)たりと、おかしい。怖いもの見たさのような面白さ。笑うしかない。
最後は、着ぐるみを、頭部のものは着けたまま、体の部分だけ脱いで、ワンピース姿に。くねくねと踊り、そのまま去っていった。
少しふくよかな、若くはなさそうな体。顔はさらしていないのかと思ったが、ウェブサイトに素顔が載っていた。オルガン弾きのほか、タロット占い(タロットリーディング)もしているらしい。
▼Jonのウェブサイト
■入手杏奈、坂本弘道「CANVAS」
出演:入手杏奈、坂本弘道
チェロ奏者の生演奏で、ダンサーの入手氏が踊る。
チェロとのことで、クラシック音楽のような音色を予測していたら、電子音っぽい曲だった。
入手氏のダンスは、現代女性の洗練された舞踏、という感じで、まだ少ししか見たことがないが、好きな気がする。何を表しているのかとかはよく分からないが、わななく身体が生の震えのようで、純真と色気の同居具合もすごい。
最後の白井剛氏と森川祐護氏のパフォーマンスも見たかったが、寒さもあり、今回は退散した。
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