日本初演の2作を同時上演。「みどぅつなみた」は北米と神戸で制作したデュオ。「ひうぉむぐ」はメキシコで現地のダンサーたちと制作。今回の公演では初演とは違う(日本の)ダンサーたちが踊った。
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「みどぅつなみた」
振付・演出:関かおり
出演:北村思綺 髙宮梢
35分
「ひうぉむぐ」
振付・演出:関かおり
出演:岩渕貞太 北村思綺 清水駿 鈴木隆司 髙宮梢 矢吹唯
50分
2019年2月20日 (水) 15:00・19:30|2月21日 (木) 13:00・17:00
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「みどぅつなみた」というタイトルは、「水と涙」の意。その名の通り、液体のようなアメーバのような餅のような2つの身体が絡み、溶け合い、少し離れてまたくっつく。
舞台の床には水のような川のような模様が付けられている。音楽は静かに水がゴボゴボいう音と火がパチパチ燃えるような音に聞こえた。
衣装と照明の効果もあってか、ダンサーの体が、人間というよりAIのような、無機物のような、でも逆に人間以外の有機物にも見える。人間の体はあんなふうに見えるものだったのか?それとも、私の体もあんなふうな面を持っているのだろうか。
「ひうぉむぐ」でも同じだが、ダンサーたちがこれまでにあまり目にしたことのない体勢で組み合ったり絡み合ったり触れ合ったりする。そんなに複雑ではないけれど斬新な動きだ。「みどぅつなみた」ではその様子がなまめかしく、ドキドキした。何かひそやかなものの生成を目撃している気分。
手の使い方も印象に残った。「みどぅつなみた」でも「ひうぉむぐ」でも、手でそっと相手の体に触れる場面が多かった。両作品とも基本的にゆっくりとした動きだが、時折素早く動くのでハッとさせられた。穏やかな緩急がついている。
「みどぅつなみた」は、根源的な場所、子宮のような場所へ帰っていくような心地がした。魂が洗われるよう。
「ひうぉむぐ」は、最初と最後の両方で、男性1人とその他の男女のダンサーたちの集まり、という構図が見られた。テーマの一つは「生と死」だそうなので、そういったことを表しているのだろうか。
「死」ということを念頭に置いて見たせいか、幾つかの場面で、仏壇でチーンと鳴らしてお参りをしているような気になった。そう連想させるかすかな動きがあったのかもしれない。
「ひうぉむぐ」は、音楽が流れない場面が多く、50分間の上演で、たびたび眠りに誘われそうになってしまった。それだけ心地よかったとも言えるだろう。このまま永遠の眠りに就いてもそれはそれで幸せかもと思ってしまうような、別の世界に連れていかれたような不思議な流れの動きだった。
※下記画像は下記サイトより。
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