中村蓉 etc.「ダンス体鑑!」KAAT神奈川芸術劇場 大ホール

若手振付家による高校生・大学生のためのダンス体験&鑑賞プロジェクト「ダンス体鑑!」。


<Aプログラム「カーテン2018」>

中村蓉 振付。ワークショップ参加の高校生・大学生・大学院生 出演。

出演:阿部瑞紀、石橋華須美、齋藤瀬奈、佐藤茉優、敷地理、仙優奈、田中彩、垂見彩夏、原正樹、水澤茜嶺、宮悠介、椋百合子、森田彩、山田暁、吉村くらら(五十音順)

約30分間の、無名と思われる学生たちによる公演だが、とても見応えがあった。

同調圧力への抵抗。でも飲み込まれる若者たち。愛してると言われても、黙ってはいけないんだよ!と声を掛けたくなる(笑)。

言葉を発するのは不要だったのでは。言わなくても伝わるし、言った途端に陳腐になる。

音楽に歌詞のある歌を使っていたのは効果的だった。英語の歌や、たぶんスペイン語の歌もあった。「歌謡曲で踊る」というワークショップを行っている中村氏の本領発揮か。どれもいい歌だったので、歌のタイトルが知りたい!


<Bプログラム:TABATHA「大作戦」>

岡本優 振付。

Dance New Air 2018で見たのと同じ作品だったが、好きだからいいか(笑)。少し違うし、Dance New Air 2018のは屋外パフォーマンスだったが、今回は劇場だったので、照明があると印象も変わる。屋外のコンクリートと違い安心して見ていられたが、野性味は少し薄れるかも。


<Bプログラム:Aokid「ダンスが音楽を可能にし、音楽が世界を可能にする」>

Aokid振付・出演。

緩い感じでラップっぽいものを交えて始まったのが、高い身体能力でブレイクダンスの動きなどで魅せる。そのギャップがいい。

音楽はOasisの「Whatever」。青春の曲。今の若い人もこの歌を知っているのだろうか?


<Bプログラム:タリノフダンスカンパニー「Nisya」>

Tarinof dance company (タリノフダンスカンパニー)の長谷川まいこ、坂田守 振付・出演。

確かなコンテンポラリーダンスのテクニックで、離れたり絡まったりする2人の動きから目が離せない。曲などから生じるメタル感と、2人のなまめかしさの組み合わせが癖になる。


<Bプログラム:まだこばやし「それぞなる」>

和太鼓+ダンスユニット「まだこばやし」。玉川大学芸術学部和太鼓チームの卒業生により結成。

和太鼓のパフォーマンスはもともと体の動きを見せる要素もあるが、ここまで踊りと融合したものは初めて見た。声も使い、大きな可能性があると思う。かっこいい。

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